iPhoneSEを水没させてしまった件。

先日の土曜日の事。朝起きて洗面所で歯を磨いていたら、嫁が入り込んできて洗面台の隣で回していた洗濯機を開け始めた。何事か聞こうと思ったが、鬼のような形相で洗濯物を調べ始めたので、放置しておいた。何年も夫婦をしていると大体わかるが、こういう場合はポケットの中に何かを入れたまま洗濯してしまった時だ。さて何が出てくるやらと見ていたら、どんぶらこ、どんぶらこと携帯ケース付きのiPhoneが洗剤にまみれながら流れてきた。嫁が3ヶ月前に買ったばかりのiPhoneSEだ。

「んぐおあぁーああああぁ」と声にならないような呻き声をあげる嫁。パドメが死んだと知らされた時のダースベイダーのようだ。嫁ベイダーはiPhoneを洗濯機の中から取り上げた。「どどどどどうしよう!!もうだめぇぇ⁉︎」と完全に我を忘れる嫁。取り出したiPhoneは何やら光を放っている。どうやらカメラのライトが点灯しっぱなしになっているようだ。嫁からiPhoneを取り上げて電源を長押ししてみたが反応が無い。

これはどうしたものか…と思っていたら、嫁が自分からiPhoneを奪い扇風機の前に走り去っていった。そして必死の形相でiPhoneを振りつづけながら時折激しく叩く。子供らは心配そうに見ているがお構いなしに叩き続ける。そのうちカメラ光を放っていたiPhoneから光は消え、そのまま反応が無くなってしまった。

 

事の顛末は以上。後から聞くと洗濯物を入れる際に誤って持っていたiPhoneまで洗濯機に入れてしまったらしい。それに気が付いたのが投入3分後。「洗い」の段階で洗剤を入れながら回していた状態だった。そこで洗剤まみれのiPhoneを取り出したのだ。

 

落ち着いて知らべてみると、iPhoneを水没させてしまった場合の対処法としては

iPhone本体を振らない、叩かない。

ティッシュなどを使って、とにかく水気を取ってやる。

SIMカードも取り出して水気を拭き取る。

というものらしい。

 

慌てた嫁は今回、何度も本体を振ったうえに叩いていた。本人曰く「水を抜かないといけないと思った」らしいが、振ることにより水が本体内で回ってしまい、ダメージを受けていない部分まで駄目になってしまうとのことだ。振って叩いてとどめを刺したのだ。iPhoneが最後に放っていた光は断末魔だったのかもしれない。そして色々とやっているうちに今度は熱を持ち始めた。触れないほどではないが、明らかにおかしい。これはもう素人の手には負えないので、非正規の修理店に持って行くことにした。が、この日は自分は仕事だったので嫁が子供らと行くことになった。まさか職場に「iPhoneを洗濯機に入れて水没させちゃったんで休みまーす。てへ」とも言えないし。

 

結局は修理店に持って行ったものの、iPhoneSEは復活せずご臨終となった。幸いにもデータは何とか生きていたので救出されて、たまたま売りに出された中古のiPhone5Sに移してもらってデータ損失は免れた。いわゆる脳死みたいな状態だったということだろう。

そして、持って行って言わ最初に言われたのが、「洗濯機にいれた場合は脱水まで放っておくこと。それで復活するケースが結構ある」ということらしい。にわかには信じがたいが、修理店の店主が語っていたとのこと。だから、この記事を読んだ方で不幸にもiPhoneを洗濯機に入れてしまっ方がいたら、是非試してみてほしい。

 

ただし、iPhoneが洗濯機で回っていることを知りながら、平常心を保てる強靭な精神力を持つ人がどれだけいるのかはわからない。