【感想】”この世界の片隅に”は、どの戦争映画よりも胸に刺さる

この記事を書いている2016年12月8日、真珠湾攻撃から75年を迎えた。

映画の公開直後から「絶対に見に行くべき」とSNS上で話題になっていた”この世界の片隅に”を見に行ってきた。自分は映画を見に行く事はほとんど無い。今年大きな話題になった「シン・ゴジラ」も「君の名は」もまだ見ていない。最近見に行った映画といえば小学生の娘に連れられて見に行ったアリス・イン・ワンダーランドの続編くらいのものだ。

そんな自分だが、何故だか「見に行かないといけない」という気持ちに駆られた。テレビでは様々な特集が組まれている。観客はしきりに「泣いた」と言っている。ブログのネタ作りというのも、もちろんある。だが、それ以上に予告編を見たときに訴えてくる何かがあったのである。

 

 

 

”この世界の片隅に”は戦争の悲惨さを訴えているわけではない。一途な純愛に切なくなる恋愛映画でもない。感動して涙が止まらなくなるわけでもない。

描かれているのは戦争という状況下にあっても、生きるうえでの笑い、楽しみと共にあった日常だ。ほのぼのとしたタッチで女優のんが演じる”すず”が、戦争という運命に翻弄されながらも当時を懸命に生き抜こうとした様子が描かれている。この点が過去の戦争映画とは大きく異なる点だろう。監督はこの映画を作るために当時を体験した人たちに、何度も話を伺って取材をしたという。だからこそ、これだけ細かい街の描写ができたのだろう。

 

しかしそのように丁寧に描かれた日常の生活と、迫力ある空襲シーンのコントラストには息を飲むだろう。戦時下で日毎に配給が減っていく様子。空襲が次第に激しくなっていく描写。それは「これでもか」と押し付けられる凄惨な描写よりも胸に刺さるのだ。すずが描く色鮮やかな絵のシーンを中心に”パステルカラーの前半”と、物語が佳境に入って空襲シーンや焼け野が原が増え”茶褐色の後半”は、同じ映画とは思えないくらいに変化する。この変化はどの戦争映画よりも自分の胸に突き刺さった。様々な人の運命を変えた戦争が無ければ「良かった」はずなのにと。

そして映画の予告編で流れている、すずが手を突いて涙を流す印象的なシーン。このシーンは自分としては意外なシーンで使われている。このシーンにただボーっとしているわけではない、すずの芯の強さを垣間見ることができるだろう。

 

この映画がなぜ予想を超えるヒットをしたのか?

それは決して見る側に主観を押し付けないということが大きな要因ではないだろうか。”この世界の片隅に”は人によって様々な受け止め方があるだろう。100人いれば100通りの解釈があるはずだ。見た人がどんな受け止め方をしたのかを共有したくなり、広めていく。こうして駄文を書いている私もそのうちの一人だ。

さらにこの映画にはリピーターが多いというがその点も納得ができる。結末がわかっているからこそ、2回目には見れなかったポイント、人物描写など、人によって視点は

様々変わってくるだろう。例外ではなく、自分も2回目を見たくなった。それだけの価値がある作品だ。

未見の人は、ぜひ映画館で見てほしいと思う。

 

P.S

真珠湾攻撃から75年ということはウチの親父の誕生日なのである。終戦から3年して生まれた親父はいわゆる”被爆2世”だ。せっかくだからお祝いをしておこうと思い、普段は打ちもしないのにメールを打つことにした。

「誕生日おめでとう。あと、いつもありがとう。長生きしてください」

と、打ち込んでいたら映画のシーンがフラッシュバックして涙が止まらなくなってしまった。

 

後からくるとか、ずるいわ、この映画。

 

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2017年カープ「カ舞吼!−Kabuku−(かぶく)」を考察するために、歴代のキャッチフレーズを振り返る。

38,000人を集めたカープのファン感謝デーにおいて、2017年のカープキャッチフレーズが「カ舞吼!−Kabuku−」(かぶく)であると発表された。

「カープ」らしく「舞」い、「吼」えながら戦っていく。歌舞伎の語源となった「常識にとらわれない変わった行動や身なりをする。」という意味のある「傾く(かぶく)」を元にしたスローガンです。
他チームの目を気にすることなくカープ道を突き進み、新シーズンも「カープらしく」熱く戦う。そして、球場という舞台でファンを熱く魅了するプレーを約束する。そんな想いを「カ舞吼!」の三文字に込めました。  ーカープ公式HPより抜粋ー

なんだかわかったようなわからないようなキャッチフレーズで、ファンの間では賛否両論のようだ。

そもそもスローガン、キャッチフレーズとは何ぞや?ということで、今回は過去の歴史を振り返ってみたいと思う。

 

 

過去のスローガン・キャッチフレーズ

カープのスローガンは1953年の「闘志なきものは去れ」が初めとされている。その後20年間はスローガンは掲げなかったが、1973年からは毎年のように設定され現在に至る。(※年度、チーム順位、【】内は当時の監督名)

1953年 4位【石本】 闘志なき者は去れ
1973年 6位【別当】 スピードとスリルある野球
1974年 6位【森永】 HOTTER BASEBALL!
1975年 1位【ルーツ】 100%の努力 / 【古葉】ハッスルプレーでスリルあるエキサイトしたゲームを
1976年 3位【古葉】CHALLENGE '76CARP BASEBALL V2 DO ONE'S BEST
1977年 5位【古葉】LET'S GO TO CHAMPIONSHIP
1978年 3位【古葉】ALL MEN DASH!
1979年 1位【古葉】LET'S SPARK!
1980年 1位【古葉】3S BASEBALL (SUSPENCE SPEED START)
1981年 2位【古葉】3A BASEBALL (ACTIVE ACTION APPEAL)
1982年 4位【古葉】BIG JUMP HOT BASEBALL
1983年 2位【古葉】START FROM ZERO
1984年 1位【古葉】BLAZING BASEBALL
1985年 2位【古葉】CHALLENGE TO FRESH BASEBALL
1986年 1位【阿南】CONSISTENT CONCENTRATION (一貫した集中力)
1987年 3位【阿南】3C (COMMUNICATION COMBINATION CONCENTRATION)
1988年 3位【阿南】RETURN TO FUNDAMENTALS (基本に帰れ)
1989年 2位【山本】WINNING SMILE
1990年 2位【山本】STRIKING AVNEW (新たなる爆発)
1991年 1位【山本】WILL TO VICTORY
1992年 4位【山本】VALUE OF VICTORY
1993年 6位【山本】RED CHARGE
1994年 3位【三村】TOTAL BASEBALL
1995年 2位【三村】TOTAL BASEBALL II FORWARD EVER
1996年 3位【三村】TOTAL BASEBALL III OVER THE TOP
1997年 3位【三村】TOTAL BASEBALL R S REALIZAR SUENO (夢の実現)
1998年 5位【三村】TENGA CONFIANZA (己を信じて)
1999年 5位【達川】YES, WE CAN
2000年 5位【達川】START FROM ZERO ZERO
2001年 4位【山本】レッドアタック「攻めろ!!」
2002年 5位【山本】レッドパワー「燃えろ!!」
2003年 5位【山本】ライジングハート「たかぶるハートで」
2004年 5位【山本】WILL TO VICTORY
2005年 6位【山本】REBORN TO WIN「赤ヘル再生」
2006年 5位【ブラウン】ALL-IN
2007年 5位【ブラウン】ALL-IN
2008年 4位【ブラウン】ALL-INALL-IN激
2009年 5位【ブラウン】ALL-INALL-IN烈
2010年 5位【野村】We're Gonna Win 俺たちは勝つ
2011年 5位【野村】STRIKIN'BACK 逆襲
2012年 4位【野村】GROUND BREAKERS 破天荒
2013年 3位【野村】RALLYING TO ATTACK!剣砥挑来
2014年 3位【野村】赤道直火 RED ALL THE WAY 赤く、熱く、真直ぐに
2015年 4位【緒方】常昇魂 RED RISING
2016年 1位【緒方】真赤激! Burn it up!

 

スローガン創世記

「闘志なき者は去れ」というの有名な言葉なので聞いた事があるという方も多いだろう。”闘将”と呼ばれる監督はたいていこのフレーズと共に語られる。自分はてっきりルーツ監督の言葉だと思っていたので少々意外。そのルーツ監督は「100%の努力」を掲げたが就任直後に辞任。後を継いだ古葉監督がわざわざスローガンを作り直しているところからも、それなりにスローガンは重視されていたことがうかがえる。

初優勝した後からは全て英語のスローガンが並ぶ。他のチームもほぼ同じようなものだろうが「何となく英語のほうがカッコいいから」という理由なのか。

 

80年代~90年代

この頃になると監督ごとの個性が出ていてなかなか興味深い。古葉監督時代は○○BASEBALLというスローガンの中に”SPEED”や”ACTION”といった機動力を使った野球を志向していたことがわかる。

これが阿南監督になるとメンタル面を掲げるものに変わる。”CONCENTRATION”を2年連続で使っていることから選手にここ一番での集中力を求めていたのだろう。

山本監督(第一次)で前面に押し出されているのは「攻める」「勝つ」といった攻撃的な姿勢。”WILL TO VICTORY”を掲げた1991年には5年ぶりの優勝も果たしている。その後25年も優勝から遠ざかるとは、当時は知る由もない。

三村監督は一貫して"TOTAL BASEBALL”にこだわった。「総合力で勝つ」との考えだったようだが、この頃のカープは前田、江藤、金本、ロペスらの強力打線と弱体化していた投手陣とのバランスの悪さに苦しんでいた。最後にはそんな状況を打破したかったのか1998年にはスローガンを変更している。今ならアレなスローガンではあるがここでは触らずにおく。

 

2000年代

チームは90年代後半から低迷期に突入。沈んでしまったチームを鼓舞するようなスローガンが多い。調べていて驚いたのがあの達川光男氏がオバマが提唱する5年も前に"Yes we can”を使っていた事だ。これこそドヤ顔で言ってもいい案件だと思うが、あまり本人が話しているのを聞いた事もないので(私が知らないだけかも)、単純に本人も忘れているのかもしれない。

山本第二次政権になるとスローガンもなんとなく投げやり感が漂い始める。「攻めろ!!」「燃えろ!!」「たかぶるハートで!!」といった具合だ。「どうにでもなれ!!」とでも続きそうだが、最終的には「赤ヘル再生」を掲げながら結果を残せず最下位に沈み、去っていった。

後を引き継いだ外国人監督ブラウンは"ALL-IN”を曲げなかった。采配には批判も多かったがこれはこれで評価されるべきだと思う。この頃からこの"ALL-IN"をあしらったグッズなどが販売され、商売につながっていくようになる。

 

近年の傾向と今年のキャッチフレーズの意味

マツダスタジアムが完成し野村監督が就任した辺りから、スローガンというよりはキャッチフレーズといった趣旨を強めている。実際に今年のオフィシャルリリースでも「キャッチフレーズ」との記述もあり、信念、志向というよりはプロモーションの一環としての性格が強い。今年は選手も「真赤激にしてやるぜ」とは思っていなかっただろうし「来年はかぶこう!」とはならないだろう。

つまり、球団としてはキャッチフレーズを「いかに話題にするか」が一番に問われる。今年のキャッチフレーズは「力」を重ねたような独特のロゴマークで、そもそも読めない。日本語かどうかも怪しい。だが、ニュースバリューという側面から考えたらOKなのだ。

昨年の”真赤激”だって反応は微妙だったが結果としては優勝フィーバーもあり、真赤激グッズも多数販売され当然のように売れた。今年のキャッチフレーズも違和感がなくなるほどのプロモーションを展開するだろう。カープと言う球団はこのあたりは抜群に上手いのだから。

 

新日本プロレス "DESTRUCTION in HIROSHIMA" に行ってきました。 

昨年秋の広島大会から約1年ぶりのプロレス観戦。今回は「DESTRUCTION(破壊)」という大会名も付けられてビッグマッチが組まれました。本当は明日早いから寝ないといけないんだけど、こういう感想的なやつは余韻が残っているうちにサッサと書いてしまった方がいいと経験上の何かが訴えかけてくるので、取り急ぎ全試合の雑感を書きます。細かい説明すっ飛ばしてるから何の事だかわからん人には全くわからんと思いますが、適当に読んでください。あと、画像無いのでそこんとこヨロシクだよ。

 

 

【第1試合】キャプテン・ニュージャパンヨシタツ、真壁組 VS リコシェ、小島、天山組

今日はビッグマッチが多いのでいきなり有名レスラーが出てくるよ!ってことで第1試合にしては結構豪華メンバーな印象。そんな中でもテンコジ人気はやっぱり健在で、天山のモンゴリアンチョップには「シュー!!シュー!!」と観客は音を立て、小島の一連のムーブには「いっちゃうぞバカヤロー!!」と叫ぶというお約束もしっかりあった(尚、小島はこの後急襲されいっちゃう事が出来なかった模様)。真壁がテンコジにかなり突っかけてたのは第1試合な事に不満があったのかどうかは定かではない。試合はモンスターエナジーみたいな配色が気持ち悪いキャプテン・ニュージャパンが、小島のラリアットに轟沈するという誰も傷つかない結末で幕を閉じた。

 

【第2試合】タイガーマスク、本間、中西、永田組 VS デビッド・フィンレー、田口、ボビー・フィッシュ、カイルオライリー

永田さんの入場曲はカッコいい。プロレス入場曲の中でも屈指の名曲だと思う。それでいてキックやサブミッションを主体とした華麗なファイトスタイル、青というイメージカラーを押し出した爽やかさを併せ持つ。なのに、なのに、それなのに何故天下が取れなかったんだ永田さん。やはり、顔なのか。そうなのか、顔なのか。でもそれは生まれ持ったもんだから仕方ないじゃないか、なんて神様は酷い事をするんだとか考えてたらタイガーマスクがマットに沈んでました。

 

【第3試合】バレッタロッキー・ロメロ組 VS タンガ・ロアタマ・トンガ

どんなにオペラ座の怪人のような派手なメイクをしても、トカゲのように不気味に背面を這っても、タマ・トンガさんが放つイイ人オーラは隠せない。観客もみんな「タマちゃ~ん」とか言ってる。タマちゃんなんて言われるのは玉袋筋太郎タマ・トンガくらいのものだ。サザエさんのタマはなぜかタマと呼び捨てされるし。しかし、タマちゃんは強いのだ。なんかよくわからん技でロッキーロメロからフォールを奪って見事勝利。観客からはやっぱり「タマちゃ~ん」という声援が飛んでいた。

 

【第4試合】石井、後藤組 VS チェーズ・オーエンズ高橋裕二郎

バレットクラブに移籍してもイマイチパッとしない裕二郎。これからどうしていくんだろうかと入場前に考えてたら。お姉ちゃん2人組を侍らせて入場してきた。そうか、これがあるからまあいいんだろうな。それにしてもお姉ちゃん達のダンスは予想以上に癪が長い。テレビの分は結構カットされてるのが生で見るとよく分かった。後藤の入場曲も和風オペラみたいでかなり好き。しかし、後藤は自分自身も会社側もどうしたらいいのかよくわからなくなってるんじゃないだろうか。G1では決勝に進んだけど、勝てる雰囲気は全くなかったし。大幅なキャラ変更が出来るほど器用でもないだろうしなぁ。いっそスキンヘッドにして飯塚みたいな路線もアリなんじゃないか。本人断固拒否するだろうけど。試合は後藤がやや強引にGTRを繰り出してアッサリと終了。やっぱり、ちょっとショッパイかな。首をやられて帰り際にフラつきながらも観客と乱暴にハイタッチをするオーエンズさんもたぶんイイ人系。

 

【第5試合】KUSHIDA、ロビンソン、棚橋、エルガン組 VS BUSHI、EVIL、SANADA、内藤組

 

先に入場してきたロスインゴはEVILのテーマ曲が流れて先にEVILのみソロで入場。緑のレーザー光線のようなものを放ちながら釜を持って歩いてきた。レーザー光線はもちろん天井の上に当てて誰も害が無いようにする。その後入ってきた内藤はBUSHI、SANADAがオーバーマスクを被るなか、何も着けずに入ってきたのだが、エラくご機嫌な様子。そうか、カープが優勝したからなのか。入場後もカープTシャツを着たレフェリーにご機嫌に絡んでいた。そして後に入場の正規軍の方は何とエルガンのテーマ。新日本のエース棚橋がエルガンのテーマ曲で入場してきた瞬間、1年前とエルガンの扱いが全く違うことに驚いた。次回の神戸大会での内藤・エルガン戦の前哨戦であることをしっかりとアピールしていたのだとは思うけど。試合はエルガンが開始早々EVILの場外椅子攻撃で左ひざを負傷。エルガンはすぐに花道に下がってしまった。こうなると3対4で分が悪い正規軍は徐々に押されはじめ、ピンチ!!…というところで、なんだか足を引きずりながらエルガンがお約束で帰ってきた。バッタバッタと敵をなぎ倒して最後はEVILをパワーで粉砕。試合終了後は内藤にもエルガンボムを決めて、エルガンのエルガンによるエルガンのための前哨戦は終わった。

 

【第6試合】マーク・ブリスコジェイ・ブリスコ VS ニック・ジャクソンマット・ジャクソン

 IWGPタッグ選手権試合として行われたこの試合。どちらもタッグ屋、しかも兄弟タッグとあって試合に対する期待値はかなり高かった。しかし、結果からすればもう少し見せれたんじゃないかなーと少し残念に思った部分もあった。もちろん、コンビネーション攻撃とかは魅せるものがあったのだけど、タッグ屋VSタッグ屋ならではの予定調和というかなんというか。タッグ屋は全く違う個性のチームと当たる方が光るような気がする。ところで、この試合は自分の近くの席の男の子(たぶん小学生)が「ぶりすこーーー!!」と声援を送っていた。いや、どっちもブリスコなんだけど見分けがつかないから仕方ない。結果はツープラトン技を喰らったマット・ジャクソンがどっちかのブリスコにフォールされて終了。最後までブリスコ兄弟の区別がつかなかった。

 【第7試合】ウィル・オスプレイ VS アダム・コール

(ぶっちゃけ書くのそろそろ疲れてきた。あともう少しだ。頑張れ自分)

オスプレイは生で見ると肌がとても白い。イギリス出身のプロレスラーといえば、何といってもダイナマイトキッドを思い出してしまうんだけど、そういえば彼も白かった。対するアダムコールは入場時に上着を脱ぎ捨てた後に急いでリストバンドを装着しててなんだかほほえましかった。最初から付けとけばいいのにと思わないでもないけど、多分最初から付けておくと上着が着れないとか致命的な問題でもあるのだろう。あと、「アダムコールベイベー!!」って言いたいのか言わせたいのかハッキリして欲しいところ。言わせたいのなら観客を訓練しとかないと。試合は、オスプレイも健闘したものの、いかんせん技が軽い印象。アダムコールベイベーがベルトをシッカリと守った。そういえば、この試合はROH世界選手権試合でした(今さら言うな)。

 

【第8試合】オカダ・カズチカ VS バッドラック・ファレ

 

オカダはプロレスラーとしての自分の魅せ方を良く知っていて入場シーンに華がある。この入場シーンの華はプロレスラーにとって命なのである。逆に言うといい試合が出来ても華のある入場シーンが見せれないレスラーは、レスラーとしての価値が半減する。この試合は、観客すべてが大オカダコール。ファレのファの字も口にする観客はいない。まさにスーパーベビーフェイスだ。そんなオカダもファレは苦手としていて、敗れたケースは真っ向から受け止めようとして、そのまま轟沈するパターンがほとんどだった。それでも、今回もあくまでオカダは真正面から受け止めて勝つスタイルに拘った。結果、ファレに押されながらも、公約通りのツームストンレインメーカーピンフォール。観客誰もが幸せになるスーパーベビーフェイス、オカダカズチカは難敵ファレを打ち破ってハッピーエンド。

 

【第9試合】YOSHI-HASHI VS ケニー・オメガ

ハッキリ言ってしまえば、ヨシハシが勝つ可能性なんてほとんど無いと思っていた。そんな中での見どころは、ヨシハシがケニー・オメガを相手にどこまで自分の生き様を見せられるかどうかだった。このDESTRUCTIONでは、かつてないくらいにプッシュされ、まさにプロレス人生最大の見せ場が今まさにこの瞬間だった。果たして、そのヨシハシはその生き様を観客に見せつけた。最初はオメガと半々だったコールも、試合後半からは大ヨシハシコール。ヨシハシが全てを出し切りフォール寸前まで追い込む場面もあったが、最後はオメガの片翼の天使の前に沈んだ。しかし、1年前はオカダの刺身のツマ的な扱いだったヨシハシは間違いなく観衆の心を掴んでいた。勝ったケニー・オメガにはまだ余裕があったか。あと何回かの戦いを経て1.4東京ドームにチャレンジするのだろう。ただ、生で見たケニ・ーオメガはまだ、スーパースターの域には届いていない印象を受けた。1年前、AJスタイルズが纏っていたスーパースターとしてのオーラはまだ彼にはない。しかしそれもまだ無理はないのかもしれない。まだ彼はヘビー級に転向してから1年も経っていないのだ。来年の広島大会、彼がどんなオーラを纏って現れるのか、今からワクワクしている。

 

 

と、まあ駆け足で振り返るとこんな感じです。中邑、AJが退団した新日本だけど、こういう試合が出来ていればまだまだ大丈夫じゃないでしょうか。行ったことがない人は是非、生の試合を一度見てみてほしいと思います。テレビで見ているプロレスがその日から変わりますよ。

 

 

全然興味無いけど、ポケモンGOをプレイしてみた。

ここに来てやや落ち着いた感があるポケモンGOのブームだが、それでもある程度はまだ続いているようだ。歩きスマホ、ながらスマホを助長するとして社会問題にまで発展した今回のこのポケモンブーム。広島市が「祈りの場にそぐわない」として平和公園のポケストップを廃止申請するなど話題は事欠かない。

 

 

約一か月前、ポケモンGOがリリースされるまで自分はその存在すら知らなかった。ところが、リリースされるや否やニュースやネットで大きな話題になりその存在を知ることになる。特にリリースされてから最初の週末はスマホを弄っている人がいればポケモンと思えというくらいに、誰もがプレーしていた。スーパーでトイレに行こうとすると前をノロノロと歩きながら自分と同じくらいの年代のオッサンがポケモンをしている。「トイレにまで持ってくんなよ…いい年こいて。あー、やだやだ。俺は絶対にあんな風にはなんねー」とその姿をみて自分は固く心に誓った。

 

ちなみに、自分のスペックは

・ポケモンをゲーム機でプレーしたことが無い。(発売されたころにはゲーム卒業済)

・アニメも見たことが無い。(テレ東映らない広島ですから…)

・ピカチュウしかポケモンを知らない。(「ポケモン、ゲットだぜ!」って言葉は知ってる)

というもので、まるでポケモンと縁が無い。だから全然興味無いのだ。

 

しかし、ポケモンを批判するならその仕組みは理解する必要があると考えて、全然興味無いけどインストールしてみることにした。ところが、自分のiPhone5SのOSはiOS7でポケモン非対応。OSのアップデートをしようにも16GBでは空き容量が無いから、何かを削除しない限り出来ないのだ。まあいい、縁が無かったという事だろう。どうせ、自分は全然興味無いし。

 

だが、この「はてなブログ」のアプリもインストールしようとしたらはねられた。そろそろiOS7は時代的に限界なのかもしれない。いらないアプリをアンインストールしたり写真整理したりすれば空き容量も増えるだろう。そうすればブログをスマホで書くことが出来る。少々面倒だが空き容量を増やしてiOS9にアップデートした。これで、はてなブログのアプリもインストールすることが出来た。

 

…ついでに、せっかくOSのアップデートもしたことだし、ポケモンをもう一度ダウンロードしてみることにした。全然興味無いけど、もののついでだ。ちょっと触り程度やってみるだけだし。

 

なんだ。 アカウント登録だって?どうせ興味ないしAHOAHOMANでいいだろ。何?登録されているって?じゃあAHOAHOAHOMANならどうだ?…これもダメか。ならAH0AH0MANならいけるだろ。などと色々登録しようとするがどれも登録できない。「絶対これ嫌がらせしてるだけだろ。本当は登録できないんだろ」と試しにjwkdzytgvzと適当に文字の羅列を並べてみたら、すんなりと登録できてしまった。もう、この時点でテンション駄々下りだ。まあ、全然興味無いし別に問題ないのだが。

 

そして、プレーを始めてみると、なにやらコウモリのようなものが自宅の周りを飛んでる。やり方もよく解らなかったが、ポケモンをプレイしていた人はみんな画面上にフリックしていたから見よう見まねでやってみたらボールの中にコウモリが入っていった。「やったー。ズバットを捕まえた」とか出てるから成功なのだろう。え?これ簡単じゃん。なんでこんなものにみんな夢中になっているのか全然わからない。

 

でも、「ある程度やってみないと面白さも解らないのかもしれない」と思い、全然興味は無いけど、しばらくプレーしてみることにした。鳥の形をしたポッポや芋虫みたいなキャタピーとかばっかり出てくる。まあ、見るからに雑魚っぽいしレアでも何でもないんだろうというのは大体想像できる類のキャラクターだ。なんだよ、全然つまらないじゃんと思ってると何やら見たこと無い水色の宇宙人みたいなのが出てきたのでゲット。「ワンリキー」というらしい。全然興味無いけど、念のためレア種かどうかをネットで調べてみると、レア度5(10段階中)であまり出会えないらしい。へー、ウチの周りにもこんなの出るんだ。

 

しばらくして高速のPA、SAでは結構レアなのが出るらしいという噂を聞いた。偶然その話を聞いた次の日が福山へ出張。トイレに行きたくなったので八幡PAに止まることにしたのだが、ついでなので全然興味無いけど、ポケモンも起動してみることにした。どうせレア種とか出ないんだろと思っていたが、見たこと無いポケモンが沢山出てくる。「プクリン」とかいう丸っこいのがCPと言われる強さの値が高かったので、検索してみるとレア度6なのだとか。本当にちょいレアみたいなのが出るようだ。なるほど、高速のPAに最近人が多いわけだ。

 

出張先のスーパーで時間があったので、試しにポケモンを起動してみることにした。全然興味無いけど、福山だと出てくるポケモンも違うのか一応見ておこうと。すると、ちょっと強そうな亀の「カメール」 とか、ポッポが最上級に進化した「ピジョット」なんてのが出てきた。こいつらはレア度7でかなり珍しいとのことだ。お、全然興味無いけどちょっと話のタネにはなりそうだ。

 

どのようにしてポケモンの出現法則が決まっているのかは非常に興味深い。調べていくうちに、観音のマリーナホップはポケモン客で賑わっているとの情報を得た。あの、開業以来パッとせず、経営母体は何度変われども集客出来なかったあのマリーナホップがだ。そういえば、最近フードコートの跡地に水族館を造るために工事中という記事を目にしたことがある。全然興味無いけど、水族館の工事の進捗具合をみておくのも悪くない。ついでにポケモン客がどれだけいるのかも確かめてみようと、休みの日に足を運んでみた。そこには確かに炎天下の中ポケモンをプレーする20~40代の男女が50人位はいる。みんな「ルアーモジュール」というポケモンおびき寄せ装置が作動しているポケストップの周りに集まっているようだ。一応自分もポケモンを起動させてみると、「コイル」や「ビリリダマ」などの電気系ポケモンがやたらと獲れる。なんで海沿いなのに電気系なんだろうか。そんな事に疑問を持ちながらも、約30分プレーするだけで、結構な数のポケモンを獲ることが出来た。そりゃ、人が集まるはずだ。

 

さらに調べていくと、広島城周辺にもポケストップは多く結構レアなのも獲れるらしい。そういえば、最近「広島城展」なる催し物を広島城でやっているらしいし、日本の名城100選のスタンプも押しに行かねばならぬということで、ここにも足を運ぶことにした。原爆の投下で広島城は壊滅的な被害を受けた為、天守は3代目で鉄筋コンクリート造。内部は博物館となっていて、広島城の天守がどのようにしてできたかとか、大本営とよばれる建物があった歴史など詳しく知ることが出来る。地元ゆえに行ったことが無かったのだが、これはこれで意義があることであった。そして、せっかく来たついでに一応ポケモンを起動させてみることにした。ここはポケストップが豊富でモンスターボール切れには困らない。イーブイやポッポを進化させたりしながら経験値を地味に貯め続けてレベルも11を超えた。スーパーボールも手に入れたのでレアものもある程度仕留めることが出来るようになってきた。ここでは、これと言ったレアはゲットできなかったが、カビゴンというかなりのレア種の影が出てきたのでしばらく粘ってみた。が、発見することは出来ず。残念。全然興味無いけど、コイツをゲットできれば話のタネにはなるのに。

 

ちなみに、自分が唯一知っているポケモンであるピカチュウは未だに影すら見たことが無い。噂ではマツダスタジアム周辺でゲットできるらしい。カープの優勝が懸かってる近頃ではチケットの入手すら難しいので、マツダスタジアムに立ち寄るような予定は今のところない。しかし、マツダスタジアムにはタダ見エリアと呼ばれる無料でのぞき見できるエリアがあったはずだ。カープの優勝がかかる今、そこで見るのも一興かもしれない。ついでに、まだ見ぬピカチュウもゲットできるかもしれないし。

 

いや、自分はポケモンには全然興味無いけど。

 

iPhoneSEを水没させてしまった件。

先日の土曜日の事。朝起きて洗面所で歯を磨いていたら、嫁が入り込んできて洗面台の隣で回していた洗濯機を開け始めた。何事か聞こうと思ったが、鬼のような形相で洗濯物を調べ始めたので、放置しておいた。何年も夫婦をしていると大体わかるが、こういう場合はポケットの中に何かを入れたまま洗濯してしまった時だ。さて何が出てくるやらと見ていたら、どんぶらこ、どんぶらこと携帯ケース付きのiPhoneが洗剤にまみれながら流れてきた。嫁が3ヶ月前に買ったばかりのiPhoneSEだ。

「んぐおあぁーああああぁ」と声にならないような呻き声をあげる嫁。パドメが死んだと知らされた時のダースベイダーのようだ。嫁ベイダーはiPhoneを洗濯機の中から取り上げた。「どどどどどうしよう!!もうだめぇぇ⁉︎」と完全に我を忘れる嫁。取り出したiPhoneは何やら光を放っている。どうやらカメラのライトが点灯しっぱなしになっているようだ。嫁からiPhoneを取り上げて電源を長押ししてみたが反応が無い。

これはどうしたものか…と思っていたら、嫁が自分からiPhoneを奪い扇風機の前に走り去っていった。そして必死の形相でiPhoneを振りつづけながら時折激しく叩く。子供らは心配そうに見ているがお構いなしに叩き続ける。そのうちカメラ光を放っていたiPhoneから光は消え、そのまま反応が無くなってしまった。

 

事の顛末は以上。後から聞くと洗濯物を入れる際に誤って持っていたiPhoneまで洗濯機に入れてしまったらしい。それに気が付いたのが投入3分後。「洗い」の段階で洗剤を入れながら回していた状態だった。そこで洗剤まみれのiPhoneを取り出したのだ。

 

落ち着いて知らべてみると、iPhoneを水没させてしまった場合の対処法としては

iPhone本体を振らない、叩かない。

ティッシュなどを使って、とにかく水気を取ってやる。

SIMカードも取り出して水気を拭き取る。

というものらしい。

 

慌てた嫁は今回、何度も本体を振ったうえに叩いていた。本人曰く「水を抜かないといけないと思った」らしいが、振ることにより水が本体内で回ってしまい、ダメージを受けていない部分まで駄目になってしまうとのことだ。振って叩いてとどめを刺したのだ。iPhoneが最後に放っていた光は断末魔だったのかもしれない。そして色々とやっているうちに今度は熱を持ち始めた。触れないほどではないが、明らかにおかしい。これはもう素人の手には負えないので、非正規の修理店に持って行くことにした。が、この日は自分は仕事だったので嫁が子供らと行くことになった。まさか職場に「iPhoneを洗濯機に入れて水没させちゃったんで休みまーす。てへ」とも言えないし。

 

結局は修理店に持って行ったものの、iPhoneSEは復活せずご臨終となった。幸いにもデータは何とか生きていたので救出されて、たまたま売りに出された中古のiPhone5Sに移してもらってデータ損失は免れた。いわゆる脳死みたいな状態だったということだろう。

そして、持って行って言わ最初に言われたのが、「洗濯機にいれた場合は脱水まで放っておくこと。それで復活するケースが結構ある」ということらしい。にわかには信じがたいが、修理店の店主が語っていたとのこと。だから、この記事を読んだ方で不幸にもiPhoneを洗濯機に入れてしまっ方がいたら、是非試してみてほしい。

 

ただし、iPhoneが洗濯機で回っていることを知りながら、平常心を保てる強靭な精神力を持つ人がどれだけいるのかはわからない。

 

「トランキーロ」の放つ期待感 ~新日本プロレス内藤哲也は何故ファンに支持されたのか~

2016.12.30更新

 

書きたい事を書くブログなので、話題が散らかりまくりだけど、今回はプロレス。先ごろIWGP王者となった新日本プロレスの内藤哲也の「トランキーロ」について。

 

 

今年の1月、ここ数年の新日本プロレスを引っ張ってきた立役者の中邑真輔、AJスタイルズの両名が退団。新たにのし上がってきたのが、1年前までファンからブーイングを浴び続けた内藤哲也だった。昨年の6月にヒールターン(いわゆる悪役化)を行った内藤に、ほんの1年前までブーイングを浴びせていたファンは彼に歓声を送る。

 

中邑、AJの退団はファンには唐突に映ったが、おそらく新日本はその意向は早くから知っていたと思われる。当然、このプロレスブーム(と言ってもいいと思う)を継続するためには、両名に替わるスター選手を作る必要があったわけで、そこで白羽の矢が立ったのが早くからスター街道に押し上げられながら、なかなかファンに支持されなかった内藤哲也だった。

 

彼が不人気だった理由はいくつかあるだろう。会社が推しすぎて嫌われたのも一つだし、試合展開も急ぎ過ぎて盛り上がりに欠けるのもあったかもしれない。が、個人的には支持されない一番の理由は「コメントが面白くない」ことだったと思う。ベルトに対する夢を熱く語っても、そこには刺激的な言葉もなくインパクトに欠けていた。しかも、彼はプロレスラーとは思えないほどハッキリとした言葉で喋り、滑舌が良すぎた。プロレスラーと言えば長州、藤波、天龍などはコメントの半分も聞き取れないほど滑舌が悪くモノマネのネタに度々されてきた。しかし、それが要素となり、コメントも含めた「プロレスラーとしての個性」が確立される。または、滑舌が良くても頭の回転が速く、状況に応じたコメントが出来れば、それはそれとして個性として認識される。真壁刀義などはその典型で、彼はファンが求めているだろうコメントを発して会場を盛り上げてきた。だが、内藤哲也はそれが出来ずにいた。

 

しかし、転機は2015年2月の大阪大会だった。何をやってもファンに強烈なブーイングを浴びた内藤は試合後に「プロレスをずっとやってきて、頭をよく打ってるんで、俺には大歓声にしか聞こえなかったですね」と言ってのけた。ずっとコメントがしょっぱいと思っていた自分も、これにはシビれた。「ブーイングなんて関係ない!俺は俺の道を行く」なんてコメントを出すものだとばっかり思っていたので、こんなに上手い切り返しが出来るなんて予想外だった。ここで、新日本プロレスは内藤のヒールターンを考えたのかもしれない。

 

2015年5月、内藤はメキシコに渡り、日本語で制御不能という意味を持つと言われる”ロス・インゴベルナブレス”に加入し、1か月後、日本に帰ってきた。帰国した内藤は本体とは距離を置き、予測不能な行動をし始める。たった1ヶ月程度でレスラーとしての技量が上がるわけではないが、「制御不能」という名のもとに何をしても許されるという空気感を作ることに成功した。そして、その決めゼリフとして「トランキーロ」と発するようになる。「焦るなよ」と言う意味のこの言葉は内藤の行動を後押しするものとしてファンに認知されていく。

 

この「トランキーロ」とは便利な言葉で、いくら試合内容がしょっぱい(プロレス用語で「つまらない試合」の意味)ものだろうが試合後に「トランキーロ」といえば、わざとしょっぱい内容で攪乱しているのではないかという推測もされる。そして「焦るなよ」という言葉の裏側には「この先には凄いモノが待ってるぜ」という期待も抱かせることになり、彼の行動から目が離せなくなるのだ。彼のこの立ち振る舞いに、最初は懐疑的な目を向けていたファンも徐々に支持し始める。「トランキーロ」と言い続けることによって、ブーイングを浴びせていた観衆も、会場では次第に彼に対する期待感を抱くようになってく。リング外での立ち振る舞いが変われば、試合内容も変わる。急ぎ過ぎていた試合展開も、のらりくらりと相手を焦らすことを覚えた。そして、勝負どころでは一気にテンポアップして相手を仕留め、メリハリがついた試合内容で魅せれるようになっていく。自分は昨年秋、新日本プロレス広島大会を観戦したが、その時には既に会場は内藤哲也を支持していたように思えた。いつの間にか「トランキーロ」は新日本プロレスで大きな存在となっていったのだ。

 

長きにわたり棚橋、オカダ、中邑、AJで廻してきたIWGPのベルトも、そのうち二人が退団するとなればずっと棚橋、オカダで廻すわけにもいかないし、いつまでも代わり映えがしなければ閉塞感も生まれる。そんななか、今回IWGPを内藤が獲ったのは当然の成り行きといえば当然だ。しかし、そこには以前にあったような「会社が無理矢理推している」といった感じは殆ど感じられない。ここに来て、彼のプロレスラーとしての個性の樹立と、ファンの支持の足並みが揃ったのだと思う。

 

早速、6月の大阪大会では前王者オカダとの再戦が組まれた。もし、仮に負けても「トランキーロ」と言えば、それがどんな試合内容でも次につながっていく。そういう意味では「トランキーロ」は未来へと続く「to be continued」と同意義なのかもしれない。

 

2016.12.30 追記

この記事を書いたのは今年5月の事だったが、6月に内藤はオカダに敗れベルトを失った。しかし内藤哲也は選手としての価値を全く下げることなく、9月にはインターコンチネンタル王座を奪取。12月には2016年プロレス大賞を受賞した。

IWGP王者としてベルトを巻いていたのは僅か2ヶ月余りだったが、彼がプロレス界に与えたインパクトを考えれば文句なしの受賞と言ってもいいだろう。ロスインゴベルナブレスデハポンは完全にファンに受け入れられ、内藤哲也は勝敗を超越した存在となった。この状況はプロレスラーとして最高の状態。試合に敗れようが価値を下げることが無いのだから。今年9月、新日本プロレス広島大会に足を運んだが、定番のTシャツは多くのファンが着用していた。

 

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そして内藤哲也は2017.1.4東京ドームでインターコンチネンタル王座をかけて棚橋弘至と闘う。新日本のエースとしての象徴的存在である棚橋弘至と、どんな闘いを見せてくれるのだろうか。否が応でも期待は膨らむが、そんなファンの気持ちをよそに彼はいつものように、こう言うのだろう。

 

「トランキーロ!焦っんなよ!」と。

 

つくづく汎用性の高い言葉だ。

”俺たちは氷室京介を卒業できない” L'EPILOGUE(エピローグ) レビュー

はてなブログ恐るべし。以前のブログ名「THREE ARROWS」だと競合が多くて、全く自分のブログなど出てきたことが無かったのだが、「だんごファーム」と検索すると一番先にヒットすることにちょっとした感動を覚えてしまった。これ、はてなブログじゃなくてもいいのかもしれないけども。万が一、ウチの娘が「だんごファームって言葉あるのかな?」と思いついて検索してしまったらどうしようという気もする。きっとその日からしばらくの間は口をきいてくれないだろう。今後、挨拶しても自分と眼をそらしたり、部屋の奥から鈍器のような物を見つけてしまったら、検索して親父の真の姿を見てしまったと思うことにしよう。

 

という事で、前置きは置いといて初めてのお題は、今回のツアーでライブ活動を停止するという氷室京介について。

 

ええ、わたしソロデビューからずっとファンです。

 

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"俺たちは氷室京介を卒業できない"とのキャッチコピーを大々的に掲げたオールキャリアベスト「L'EPILOGUE」。某フタバ図書で見つけて購入したのだけど、陳列は見本でレジに持って行ったら商品を出すシステム。早速レジに持って行くと、店員の兄ちゃんは商品が置いてある棚の中で、このアルバムを一回手にしながらも首をかしげながら元に戻す。「おい!!それだよ、それ!なに首かしげてんだよ!!」と心の中では叫んだものの口には言えない小市民な自分。他の場所を探すも当然のように見つからず。そりゃそうだ、彼は一番最初に選択肢から外してしまったのだから。かれこれ1分くらい探した挙句に先輩のおねーちゃん聞いて、一番最初に取ったのがそれでしたとさ。まあでも、「これは特典のクリアファイルですね」とオマケをつけてくれたので良しとしよう。

 

で、早速今回の目玉であるBOOWY曲の新録を早速聞いたのだけど…。

 

まず、根本的に勘違いしてたのはあくまで「新録」であって「リミックス」では無いということ。もっとライブテイストな感じでアレンジされたもんだとばっかり思ってたので、まずここでビックリ(多分、自分だけだと思うけど)。全体的には現在の氷室京介が、過去の曲と向き合ってより丁寧に歌っているという印象を受けた。以下、BOOWY曲の感想。

 

◆ミス・ミステリー・レディ

原曲には~Visual Vision~という副題がついていたが、その表記は見当たらず。元々デモVer.はこの曲名だったようだから、今回はクレジットしなかったのかも。BOOWY曲の中でもかなり好きな曲だったので、この曲がトップバッターなのは嬉しい。「踊る葉はTOW DANCE」ってどういう意味何だか全然分からんけど、これが最高にカッコよく聞こえる不思議。ややゴテゴテしたアレンジの"JUST A HERO"よりも、スッキリとした音作り。もちろん、あれはあれで好きなんだけど。

 

◆黒のラプソディ

渋いところくるね。しかし、この曲の持つ何とも言えない退廃的な色気は、今の氷室京介が歌うとピッタリくる感じ。ミス・ミステリー・レディとは違ってアレンジに違和感は感じなかった。アルバム「BOOWY」は元々が今回の新録に近いテイストだからそう感じるのだろう。原曲は「Dangerousなrhythmだけを~」と歌っていたと思うのだが「を~(Oh~かもしれない)」はすべてのパートで省かれている。

 

◆"16"

2011年の復興ライブ以降はわりとライブでもやっている曲なので、新鮮味と言う意味ではそこまで無かったが、「いつかのJAMES DEAN」が「いつかのジミー」に替わっていたのは何故なんだぜ。どこに行ったんだJAMES DEAN、そしてどっから来たんだジミー。原曲のキーがかなり高いのでそれなりに歌うのはキツイ(ちなみにカラオケで歌ったら死ぬ)と思うのだが、難なくこなしてしまうのはボーカリスト氷室京介の真骨頂。そして、55歳になった彼が歌う"16"に時代を感じずにはいられない。

 

◆CLOUDY HEART

LAST GIGS のリクエストでBOOWY曲の1位になっていたのは驚いた。Dreamin'かLIAR GIRLだと思っていたので。アレンジは、多くのBOOWYベスト盤に収録されているシングルVer.ではなく、アルバム「BOOWY」Ver.に極めて近い。この曲ではファンの間で長年の謎とされてきた曲の最後の「△◆〇※□〇×▼×◇」の部分が歌詞カードに掲載されているので是非ご確認いただきたい。  「 I'VE GOTTA SAY THIS FALL IN LOVE」 でも「 SAY THIS UNTIL LOVE」でも無いのだ。そもそも後者は文法的にも怪しい気がするが英語力皆無の自分がいう事ではない。

 

わがままジュリエット

オリジナルキーで歌っているのが驚き。てっきり「なんにもこの手に~」と来るのかと思っていたら「何ひとつ~」とファルセットで来たもんだから、カーステレオで聞きながらテンションMAXになってしまった。この曲もミス・ミステリー・レディと同じくJUST A HEROよりもスッキリバージョン。バックのコーラスが良く聞こえるアレンジなので聞きやすくなったとも言える。「アンニュイ LAST NIGHT おざなりなPLAY」なんて普通の人が言えばルー大柴になるところだが、そうならないところが氷室京介氷室京介たる所以なのだ。

 

◆FUNNY BOY

よくよく聴いてみると「LAST NIGHT 又一発だけ MEMORY やるつもりでもNO!」とか普通怒られるだろという歌詞内容なんだが、昔聴いてた時には全然思わなかった。というより理解力が無かっただけなのか。「てんで似合わないから」が「まるで似合わないから」にサラッと変えられていた。「てんで」の響きがちょっとカッコ悪かったんだろうか。

 

◆唇にジェラシー

個人的に今回のBOOWY新録曲の中で一番好きな曲。元曲も好きなんだが、新録で音に深みが出てさらにカッコよくなった。だけど、この曲はBOOWY時代からライブでは殆どやらないし、今回のLAST GIGSのセットリストにも入っていない模様。どうしてやらないんだろうか、こんなにカッコイイのに。何となく歌謡曲っぽいメロディラインがライブ映えしないという事なのかも。「笑いながらサヨナラなんて言えるのか」との歌詞が刺さる。

 

◆SYMPHONIC(ダウンロード限定)

元曲よりもややスローなテンポになっていてオシャレな感じに仕上がっている。こういう雰囲気は今の氷室京介が表現できる艶っぽさとも言える。普通に収録しても良かったと思うが、間奏にアレンジを加えているという事でこういう形での配信になったのかもしれない。

 

以上、大まかな感想。

 

氷室曲ばかりで構成されるのであれば、FANTASTIC STORYあたりは入れて欲しかったなとも思うけど、比較的マイナーなナンバーが見直されたのは嬉しい。TO THE HIGHWAYとかはライブでやり過ぎてやや食傷気味だったし。そして、布袋曲が1曲も無いのは、まあやはりそういうことなのかと察する部分でもある。

 

既にLAST GIGSツアーは始まっている。福岡、名古屋のセットリストを見るとBOOWY曲の比率が多いようだ。これについても意見が分かれるところだろうし、自分も思うところが無いわけではない。それでも彼自身「オマエらが作ってくれた"氷室京介"をオマエらに返す」との思いからの選曲であれば、それはそれでいいと思う。それが彼からのファンへのTHANKSなのだから。

 

ここまで長々と書いてしまったが、要するに何が言いたかったかというと、自分はLAST GIGSのチケットを取れなかったということだ。だれかゆずってくださいおねがいします。