【書評】「クソゲー番付」は初心者からマニアまで守備範囲が広い

先日、本屋で何か面白い物は無いかと探していたら「ファミコンクソゲー番付」なる本を見つけたので購入。

クソゲー本も数多くありますが、本書はクソゲーの入門書としてはかなり読みやすく、クソゲーを知らない人でも読んで楽しめる出来になっているので紹介したいと思います。

 

 

 

クソゲー番付とはどんな本?

ゲーム黎明期のファミコン時代に発売されたソフトのなかでも、後に「クソゲー」と呼ばれた作品の数々をゲーム画面と解説付きで紹介しています。

当時遊んだゲーマーは「あったあった!こんなゲーム!」と懐かしい気持ちになれるでしょうし、若い世代にはクソゲーの歴史的価値(?)を知ることが出来る構成。

 

特に箱や説明書が紹介されているのはポイントが高いです。(ただし一部のゲームに限るのが残念)

当時のゲームは説明書も味があったんですよね。

明らかに手抜きのイラストだったり、どう考えても要らないようなオマケのシールがついていたり。

挙句の果てには「Ⅱコントローラーは使いません」と断言しているにもかかわらずⅡコン必須のゲームという大ウソまであったりw

こういうのもひっくるめて楽しめます。

 

構成は

・総決算!クソゲー番付

・タレントダメゲー番付

・最弱主人公番付

・バカキャラゲーム番付

と分けて紹介。それぞれ横綱から前頭まで番付を発表しています。

まあこの番付には「このゲームもっと上だろ!」とかそれぞれ思うこともあるでしょうが、まあネタ程度に楽しんでください。

 

そのほか

・懐かしの周辺機器特集

・激レアファミコンソフト

・有名人が語るクソゲーソフト

などのオマケコーナーも読みごたえがあります。

 

なかでも「周辺機器特集」は自分も知らないようなものが結構ありました。

ファミコンタイトラー」なんて自作ビデオに自作のタイトルを入れるだけの機能なのに43,000円もしたのだとか。

誰が買ったんだこんなのw

 

総決算!クソゲー番付

番付は手に取ってお確かめください。

ということで、ここからはここで紹介されているゲームにまつわる思い出など。

 

初っ端なので「たけしの挑戦状」や「頭脳戦艦ガル」などクソゲー界隈ではわりとメジャーなタイトルたちが並んでいます。

たけしの挑戦状」は当時予約してまで購入した思い出深いソフト。

当時のゲーマーの間では「あのたけしが作ったゲームだから絶対おもしれーよ!」と発売前からかなり話題になっていたのですが、そのゲームの出来は別の意味で話題になりました。

このゲームで、離婚するには「いしゃりょう」がかかると知った小4の冬。

 

タレントダメゲー番付

当時はTVタレントがファミコンゲームに関わることが普通にありました。ほとんど監修程度の関わりだったのでしょうが、「田代まさしのプリンセスがいっぱい」など後になって盛大にネタにされるゲームも生み出しています。

 

でも実はここにランクインされるゲームは、ほとんどプレーした記憶がありません。

 

それくらい「タレントゲー=クソゲー」という確固たる信念が自分の中ではあったんですよね。

数々のクソゲーをつかまされた小学生ゲーマーたちは「少ない小遣いでいかにクソゲーを回避するか」という術を自然に身につけていったのです。

 

最弱主人公番付

スぺランカーとかスぺランカーとかスぺランカーとか。

 

本書でも書かれていますが、スぺランカーはいかにしてこの虚弱体質主人公を操作してクリアするかがゲームの肝で、コツを掴めば楽しめるゲームなんですよね。

しかし、当時はあまりの主人公の弱さに完全にクソゲー扱いされていました。

 

30年以上経った現在でも、すぐに怪我をするスポーツ選手を指して「スぺ体質」なんて揶揄するのも、いかにこのゲームのインパクトが強かったのかを証明しています。

 

バカキャラゲーム番付

大人気青春漫画を見事なまでにクソゲー化した「タッチ」や、やたら売れたけど異常なゲームバランスでクリアした者がいたのかどうか不明な「ドラゴンボール神龍の謎」などがランクイン。

どちらかというとタレントゲームと同じ感覚で

クソゲー掴みたくなきゃキャラゲー避けろ」

的な認識が自分の中ではあったような気がします。

 

それでも「北斗の拳」は買ってしまったんですが。

ハートやジャギが倒すと破裂するのは解るけど、シンまで木っ端みじんに破裂するのはどうなんだよって話です。

 

 

 まとめ

 現在でも「クソゲーオブザイヤー」などという企画が残っていることからもわかるように、映画の「ラズベリー賞」的な立ち位置で認知されているクソゲー

しかし当時のクソゲーには、クソほど腹が立つのに何故かやめられないという魅力を持っていたのも事実なんですよね。

レトロゲームの話題になると、名作ゲームよりも断然クソゲーの話題の方が盛り上がるのはその証拠ともいえると思います。

 

本書はそんなクソゲーの魅力に手軽に触れることができる一冊になっています。

周辺機器やプレミアソフトの小ネタも上手くまとめてありますので、持っておいて損は無い一冊ですので興味がある人は是非読んでみてください。

 

この本を読んでいたら、初めて買ったファミコンソフトが「いっき」だった自分をなんだか許せる気分になりました。

 

もう「初めて買ったのはスーパーマリオ」ってウソつかなくてもいいんだ!